2019年12月9日(月)

■水没の市小川支所 きょうから公民館と分散で本格再開

台風19号の影響で夏井川が決壊し、浸水した市小川支所が9日、小川公民館と分散し、本格的な業務を再開した。市によると、小川支所は10月12日深夜から13日未明にかけ、約1・7メートル水没する被害に遭い、2階の会議室を拠点に一部業務を行っていた。

小川公民館では、住民票や戸籍などの支所窓口業務に加え、地区保健福祉センター、地域包括支援センター、社会福祉協議会の業務に当たる。市民相談や地域振興に関しては、引き続き小川支所の2階で取り組む。

なお当分の間は、小川公民館の1階研修室、図書室、和室の利用ができなくなるが、1階調理実習室、2階講堂、大和室は貸し出される。

小川支所は昭和31年9月、旧小川町役場として建てられた。築63年の木造2階建てで、被災前からJR小川郷駅近くに移転する計画が持ち上がっている。

令和4年度の完成を目指すも、清水市長は「一日も早く進めたい。またかさ上げするなど、水没対策も検討したい」と語っている。

また小川支所の敷地内では、プレハブ小屋の建設も並行。来年3月をめどに、新たなプレハブ小屋に業務が移る見通し。

写真は、小川公民館で業務に当たる職員=9日午後(一部加工・クリックで拡大)

■内川選手(ソフトバンク) いわきグリーンで球児と交流

東日本大震災の被災地支援活動の一環として、プロ野球ソフトバンクの内川聖一選手(37)が8日、いわきグリーンスタジアムで野球教室を行った。

「ふくしまの子どもたちに夢と希望を」と銘打ち、県内のソフトボール、学童野球のスポーツ少年団、リトルリーグの小、中学生212人が参加。内川さんは参加した子どもたち全員とキャッチボールをするなどし、野球の素晴らしさを伝え、福島の球児に勇気と元気を届けた。

同教室は、同スタジアムで2013年に行われた「マツダオールスターゲーム2013第3戦」で内川さんがMVPを獲得した縁で翌14年から、県内で毎年、シーズンオフのこの時期に開いている。いわきでの開催は15年以来、4年ぶり2回目。

当日は内川のほか、ロッテの三家和真選手(26)、福島レッドホープスの大河原雅斗(23)、佐賀悠(25)の両選手も協力。

内川さんは6年前、降りしきる雨の中、八回に決勝点となる適時二塁打を放った思い出いっぱいのスタジアムで、子どもたち一人ひとりとキャッチボールをし、疲れも見せず、笑顔で200球以上投じた。

キャッチボール終了後、質問タイムも実施。球児たちは右打者史上最高打率記録を保持し、プロ球界を代表するアベレージヒッターから野球のアドバイスを受けた。

今季までに通算本塁打196本をマークし、来季には200本の大台越えがほぼ確実な内川は「相手投手に<打たれる>と思わせることが大事」とバッターの心得を説いた。

守備面では「ファインプレーは一試合に一つあるかどうか。投手が投げたボールを確実にアウトにすること」とアドバイスした。

後にはロングティーで豪快な一発を披露。次代の野球界を担う子供たちの拍手を誘った。

今回の教室に参加した、常磐軟式野球スポーツ少年団の主戦・松本叶我君(長倉小・5年)は「きょう教わったことを意識して練習し、みんなで心を一つにして、来年の大会にいかしたい」とニッコリ。

「小学生の甲子園」とも呼ばれる学童野球の日本一を決める全日本学童軟式野球大会の3年ぶりの出場切符獲得を誓った。

写真は、キャッチボールを披露する内川=8日(クリックで拡大)

■いわきFC サポーターと意見交換 大倉氏「1年でJ3へ」と表明

いわきFC(来季から日本フットボールリーグ=JFL=に昇格)の運営元・いわきスポーツクラブは7日、常磐上湯長谷町のドームいわきベースで、スタッフがサポーターと意見を交わす「クラブカンファレンス」を開いた。

クラブカンファレンスには、60人あまりのサポーターが出席。大倉智代表取締役が登壇し、「来年は一気にJ3を目指す」と表明。JFLからJリーグ3部(J3)に上がるためには、ホームの平均観客2千人の要件もあるため、ファンクラブの拡大も図ると述べた。

また来季はいわきグリーンフィールドをメインに、広野町のJヴィレッジスタジアムで数試合開催する方針を示した上で、将来を見据え、行政や経済界と連携し、スタジアムを建設する必要性を強調した。

Jリーグの規定では、いわき市にJ3の条件を満たす競技場はない。またJヴィレッジスタジアムも例外を除き、その上のJ2、J1は行えない。

■アンサンブルコン いわき支部大会に112グループ

県アンサンブルコンテスト第47回いわき支部大会が7、8日、いわき芸術文化交流館「アリオス」で開かれた。

大会はいわき市の予選として、3〜8人の管打楽器による演奏を競い合い、初日の7日は中学校66グループ、2日目の8日は小学校9グループ、大学5グループ、職場・一般7グループ、高校25グループの計112グループが出場した。

県大会は来年1月19、20日、いわきアリオスで行われる。初日は小学校、中学校、2日目は高校、大学、職場・一般の各部門が実施される。

いわき支部の代表は次の通り。(出演順・数字は重奏)

【中学校の部】▽錦・木管8▽平二・クラリネット5▽湯本一・金管8▽中央台北・クラリネット7▽植田・木管7=金・代表▽中央台北・木管4▽植田・打楽器3

【小学校の部】▽湯本一・木管8▽湯本一・金管8▽植田・金管4 【大学の部】医療創生・金管8▽医療創生・木管3

【職場・一般の部】▽吹奏楽団「凛」・フルート4▽IBCサクソフォンアンサンブル・サクソフォン4

【高校の部】▽平商業・金管8▽磐城・フルート6▽磐城桜が丘・木管3▽磐城・木管3▽平商業・木管8▽磐城・金管8▽いわき光洋・打楽器3▽湯本・サクソフォン5

■今年も復興支援に来市 早大体操部 子どもたち指導

早稲田大体操部が8日、平下大越のいわきラビット体操場を訪れ、地元の小学生から高校生約30人を指導した。

早大体操部は東日本大震災をきっかけに、いわき市の子どもたちを支援しようと、平成24年から定期的に来市しており、今回で7度目を迎える。

早大体操部は国内外の大会で活躍する選手も在籍しており、その中から19人が訪問した。

それぞれの種目に応じ、大学生が体の使い方を教えたり、競技に臨む姿勢を伝えたりし、子どもたちも少しでも身に付けようと、熱心に耳を傾けていた。

■仮設使った「自活型避難所」に応募3戸 家賃なしも光熱費や食費必要にネック

市は9日、市内の応急仮設住宅を活用した「自活型避難所」の申し込み状況を公表し、好間工業団地第三応急仮設住宅に、3戸の応募があったと明らかにした。いずれの世帯も入居を認め、すでに鍵の引き渡しが行われている。

市では台風19号に伴い避難生活を送る市民に対し、東電福島第一原発事故によって市内に整備された応急仮設住宅を、自活型避難所として提供する方針を示していた。

提供できる応急仮設住宅は、好間工業団地第三が26戸、泉玉露が11戸の計37戸とした。泉玉露に対する応募はなかった。

市保健福祉課では応募が少なかった理由について、家賃こそかからないが、避難所と異なり光熱費や食費を必要とした点を挙げた。

また応急仮設住宅は、原発事故による双葉郡の避難者がいまだ居住しているため、駐車場の確保が1世帯当たり1台にとどまったことも指摘する。

応急仮設住宅には余裕があり、市では引き続き、避難所での案内に努めたいとしている。

いわき市では台風19号と続く大雨で、9日午前6時の段階で、91世帯187人が、市内4カ所に開設された避難所で生活している。

市によると、最も多いのが、内郷コミュニティセンターの53世帯115人。次いで中央台公民館の19世帯41人となっているほか、好間公民館に14世帯20人、小川小体育館に5世帯11人がいる。

避難所には高齢者も多く、不自由な避難生活が長期化することで、心身ともに健康の悪化が懸念される。先行きが見えないため、避難所で年を越す市民も少なくないとみられる。