2019年12月6日(金)

■常磐病院 新型「ダヴィンチ」導入 きょうから使用 患者の負担軽減に

常磐上湯長谷町のときわ会常磐病院は5日、手術支援ロボット「da Vinci(ダヴィンチ)」の新型導入に向けて、シミュレーションによる動作確認を行った。ダヴィンチは医師が遠隔で操作し、内視鏡カメラやメスの付いたアームの操縦によって手術を進める。

新型は6日、前立腺がんの手術から使用された。従来型より手術時間が短縮され、患者の負担軽減にもつながる試みで、いわき市にいながら、国内最先端の治療が受けられる。

常磐病院では平成24年8月から、ダヴィンチによる手術を県内で初めて開始。体に複数の小さな穴を空け、アームの先の器具を通し、3D(3次元)カメラで体内を立体的に捉えながら、必要な処置に当たっていく。

手振れが補正されるほか、開腹手術より出血量が少なかったり、神経の温存につながる利点がある。

ダヴィンチは前立腺がんの手術に始まり、いまでは泌尿器科領域から、婦人科領域まで幅広く対応し、760例に上る実績を持つ。

今回の新型は、アームが互いに干渉しないよう、つり下げ型につくられたほか、可動域の向上、内視鏡の太さの縮小、手術台との連動といった改良が加えられている。

シミュレーションは医師1人、看護師2人、臨床工学技士1人の体制で実施された。それぞれ手術時にダヴィンチが問題なく動作するよう、入念に確認していた。

写真は、新型の動作を確認する医師ら=5日午後(クリックで拡大)

■いわきFC 大倉氏に聞く 「JFLに新たな風吹かせる」

いわきFCが5日、日本フットボールリーグ(JFL)の昇格を正式に決めた。JFLの理事会が同日、東京都文京区のホテル東京ガーデンパレスで開かれ、理事の全会一致で来季の入会が承認された。

いわきFCの運営元・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役は、JFLの桑原勝義理事長から入会の報告を直接受けた後、いわき民報社などの取材に応じた。

――これまでの歩みをどう感じるか

いわきFCは、東日本大震災をきっかけに生まれたクラブ。物流倉庫(ドームいわきベース)を建てたのに始まり、スポーツを通じ、いわき市を元気にしようと思ってきた。私たちの目的は、Jリーグに行くことではない。一年一年階段を上ってきた結果であり、チームも力を付けた。選手や多くの仲間に感謝する。

――応援してくれる人に対する思いは

全国地域サッカーチャンピオンズリーグの決勝ラウンド最終戦では、雨にもかかわらず、多くのサポーターが足を運んだ。大変ありがたかった。(現体制が発足した)4年前には、会場のJヴィレッジを含め、想像できない光景だった。思うにコアなサポーター以外にも、試合に行ってみようとする人が増えたのでは。あの姿をさらに広げたい。

――いわき市は台風19号と続く大雨からの復旧途上だが

震災をきっかけとしたクラブとあって、皆さんの一翼を担え、自分たちが元気をもたらすのならば、やれることは何でもやる。

――来季の戦い方については

一試合一試合、クラブが掲げている「魂の息吹(いぶ)くフットボール」をやっていく。目標順位を示すというより、その積み重ねの結果、優勝できれば一番いい。JFLからは有料試合となるが、「サッカーっておもしろいんだな」と思わせるゲーム展開にしたい。ぜひJFLに新しい風を吹かせたい。

――将来を見据えてスタジアムに関しては

来季はいわきグリーンフィールドをメインに、広野町のJヴィレッジスタジアムを併用する。今後を考えた場合、スタジアムの条件を満たさないことで、上のカテゴリーに行けない状況には、経営者としてはしたくはない。ただスタジアムの議論に、巻き込まれたくないとの思いもある。

――選手の補強等に対する考えは

来季から4人の新加入を発表しているが、もう2人ほど獲得を検討している。これまで40人が退団しているが、どこかで落ち着く必要もある。若手を主体としている部分もあり、ベテランを連れてくることは考えていない。そうした中で選手も育っており、GK坂田大樹はJリーグでもやれるレベルと思っている。また徐々にプロ契約の選手のみにシフトしていく。

――育成年代の取り組みは

将来的にトップチームに上がる子が出れば一番だが、必ずしもプロサッカー選手を育てようとは思っていない。一定の評定平均値を必要とし、勉強することも大事にしている。

写真は、報道陣の取材に応じる大倉氏=5日(クリックで拡大)

■台風義援金に約6144万円の善意 5日時点

市は5日、台風19号に伴う義援金の受け入れ状況について、同日時点で、564件・6144万6265円の善意が寄せられたと公表した。

目的別に、復旧・復興義援金が217件・3193万3833円、生活支援義援金が347件・2951万2432円となっている。配分額・対象は後日決定される。

■1450人が緊急事態に対応 クレハいわき事業所 総合防災訓練

クレハいわき事業所(田中宏幸執行役員いわき事業所長)の総合防災訓練が5日、錦町落合の同事業所構内で行われ、同事業所とグループ各社の従業員約1450人は緊急事態が発生した際、迅速・的確に対応し、被害を最小限にとどめることができるよう懸命に訓練に臨んだ。

同社では有事の際の初期対応などの知識と技能の習得、自衛消防組織の強化や充実を図るとともに、従業員の防災意識の高揚を図るために毎年、防災訓練を展開している。

訓練は「いわき沖を震源とする震度6弱の地震が起きてプラントから塩素ガスが漏えいし、火災が発生。数人の負傷者が出た」などといった想定で、同事業所と研究所、グループ8社の従業員たちは中沢靖副事業所長を現場指揮本部長に消防署への通報や現場の状況について情報を収集。

自衛消防隊は化学防護服を着用するなどして漏えい個所への対処を進めるともに、駆け付けた勿来消防署の隊員と連携して高所放水車での消火活動や、けが人を担架で運ぶなどの救護活動を展開した。

参加者たちは事業所周辺の区長、自治会長らが見守る中、万が一を念頭に置き、自身に与えられた役割を再確認しながら真剣な表情で訓練に専念した。対策本部長は田中事業所長が務めた。

■アクアマリン「流行魚大賞」 チョウチンパールに決定

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」で今年1年間で最も人気の高かった魚を決める「流行魚大賞2019」が初開催され、夏の金魚まつりで展示された「チョウチンパール」が、同館の代名詞でもあるシーラカンスなどを抑え、大賞を受賞した。

選考は館内設置の「候補魚」写真パネルに張られた投票シールに、ツイッターの「いいね」の数を加えた総数で実施し、約4800人が参加した。

結果、丸くてかわいらしいフォトジェニックなチョウチンパールが、2位のシーラカンスに342票もの大差をつける1110票を集め、頂点に。3位には同館でしか見られない深海魚のタマコンニャクウオ(640票)、4位はツイッターで最も投票数を集めた深海魚のハゴロモコンニャクウオが入った。

飼育員たちは予想外の順位にびっくり。広報担当者は「まさかの結果に大変驚いた。当館では2004年から金魚の常設展示を行っているが、その人気をあらためて実感した」と、大きな反響に喜びの声を上げた。

流行魚大賞の結果と、栄えある大賞に輝いたチョウチンパールは15日まで、本館1階のエントランスホールに展示されている。

写真は、流行魚大賞を受賞したチョウチンパールを見つめる親子=5日(クリックで拡大)