2019年11月30日(土)

■アクアマリン「縄文動物園構想」検討本格化 本年度中にもタヌキなど展示へ

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、屋外展示施設「わくわく里山・縄文の里」の動物展示を充実させるため、準備を進めてきた「縄文動物園構想」の検討を本格化させた。

本館外構部に広がる淡水ビオトープ、森などの自然エリアに新展示設備を置き、縄文時代の人々の暮らしとかかわりの深い日本の在来、固有種を段階的に展示していく概要が示された。

同館では水族館と動物園の垣根を取り払うことを目的に、3千年以上前の自然環境に理想を求める「縄文動物園」の構想を掲げ、平成27年7月に屋外展示施設「わくわく里山・縄文の里」を開設した。

安部義孝館長はこれまでも「山から海へと繋(つな)がる包括的な生態系の理解が大切であることを呼び掛けるため、水族館と動物園の垣根を越えた、日本の美しい自然を後世に残したい」とのメッセージを発信。

同里にユーラシアカワウソをはじめ、オオコノハズク、コシジロヤマドリを展示し、昨年3月には栃木県那須郡那須町の那須どうぶつ王国、今年4月には栃木県宇都宮市の宇都宮動物園と友好提携を結ぶなどし、着々と準備を進めてきた。

運営委員会では、本館淡水ビオトープ「BioBio(ビオビオ)かっぱの里」と世界最大規模のタッチプール「蛇の目ビーチ」、子ども体験館自然エリアの「えっぐの森」、同里山にホンドタヌキやニホンアナグマ、ニホンリス、ニホンノウサギ、ニホンイタチ、アカネズミ、ウグイス、エナガ、メジロ、アオダイショウ、ニオンカナヘビなど在来、固有種を段階的に展示する構想が示された。

同館では「動物が自然の中で生き生きと活動したり眠る姿を、ありのままにご覧いただける展示にしたい」としており、縄文時代の貝塚から骨が見つかるなど、人々の暮らしに近い動物を中心に展示していくという。

本年度中にもタヌキ、アナグマ、小動物のアカネズミ、アズマモグラ、ホンドテンを展示する方向で調整を進めている。

出席した運営委員からは縄文と関わりの深いイノシシ、シカも何らかの形で展示してはどうか、などといった意見が出された。

写真は、自然エリアと候補動物の展示イメージ=アクアマリンふくしま提供(クリックで拡大)

■台風19号と続く大雨 罹災5004世帯・7260人に 被害総額は約375億8千万円

市は29日、台風19号と続く大雨について、いわき市の新たな被害状況を公表し、罹災(りさい)世帯は5004世帯・7260人となっている。

住家の棟数別では、全壊は106棟(115世帯153人)、大規模半壊は774棟(847世帯・1234人)、半壊は2721棟(3226世帯・4794人)、一部損壊(準損壊)は31棟(32世帯・39人)、同(10%未満)は747棟(784世帯・1040人)だった。

被害総額は375億8183万6000円。最も多いのが商工観光施設被害で、200億4873万円に上る。土木施設関連は34億7919万円、農林水産業関連は55億4631万円としている。

■水害ごみ個別回収に移行へ 12月15日で小川市民運動場の受け入れ終了

市は29日、台風19号と続く大雨で発生した水害ごみについて、年内に生活圏から撤去する方針に向け、個別回収に移行すると公表した。

また自衛隊や建設業団体の協力を得て、集中的に片付ける大規模集積所は、市内17カ所のうち、平幕ノ内字水穴、中平窪第二公園、平中平窪字高儘、下の町公園、前川田公園、金谷公園の6カ所で運び出しが完了し、幸寿苑もおおむね終了していると示した。

市内全体の集積所としては、549カ所中、残りは257カ所となっている。

清水市長が29日、臨時の市長記者会見で、現在の状況と今後の計画を明らかにし、「作業はおおむね順調に進んでおり、年内撤去の推進を図っていきたい」と語った。

12月2日からは、臨時集積所への搬出は停止し、住民が市ごみ減量推進課に連絡した上で、回収に訪れることとする。高齢者等で自ら運べない人は引き続き、市災害ボランティアセンターに依頼すればよい。

受け付けは午前9時〜午後5時。同20日まで。利用料金は無料。浸水した家財や畳等が対象で、危険物や事業所の災害廃棄物は除く。回収の実施は同7日から。

なお水害ごみの自己搬入に関して、小川市民運動場の受け入れは同15日をもって終える。現地対策事務所などで軽トラック等を貸し出す事業も、同日で終了する。

翌16日以降は市ごみ減量推進課に事前相談を行った後、北部運動場仮置き場などで引き受ける。

問い合わせ先は次の通り。

▽市ごみ減量推進課=電話(38)9005

▽市災害ボランティアセンター=電話080(2806)9021、9022、080(6019)9570、9571

■台風等での被害 支援に向けた基礎調査始まる

市は29日から、台風19号と続く大雨について、住宅が浸水するなど被害に遭った市民に対し、アンケート調査を始めた。

支援に向けての基礎調査として、被災前後の状況や生活再建に関する3項目17問に加え、自由回答を求めている。

実施期間は12月16日まで。調査対象は市内約5600世帯。詳しくは、市ふるさと再生課=電話(22)7437=へ。

■いわき花火大会 来年は開催をずらす方針 東京五輪に伴い

来夏開催する「いわき花火大会」が、東京五輪・パラリンピックの影響により開催日程を変更することが分かった。

29日夜、市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」で行われた事業報告会で、主催者の実行委員会(大会長・清水市長、正木好男実行委員長)が明らかとした。

花火大会は例年8月第1週の土曜日に開催しているが、泉地区と会場を結ぶシャトルバスの運行会社が日程の重なる五輪・パラリンピック期間中の派遣依頼を受けたことにより、花火大会への派遣が困難となったため。

昨年の花火大会では50台を運行し、約6千人が利用したという。

実行委員会では8月第1週の日曜日以降に開催をずらす方向で調整を進めており、1月には最終決断を下す方針だ。

■きょうから障がい者作品展 12月7日まで 市総合保健福祉センター

市主催の令和元年度障がい者週間(12月3〜9日)記念事業「第34回障がい者作品展」「福祉の店」が30日、市総合保健福祉センターで始まった。12月7日まで。

障がい者や福祉の理解を深め、社会参加に関わる啓発を図ることが目的で、市内25事業所、支援学校がブースを設けている。

会場では生徒、利用者が製作した雑貨、貼り絵、ちぎり絵などの作品約290点を展示しているほか、普段の活動や生活を紹介。12事業所による加工食品、菓子類、雑貨の販売も行われている。

時間は午前10時から午後5時(最終日は同2時)。問い合わせは、市障がい福祉課=電話(22)7486=まで。

初日の30日には、オープニングセレモニーが開かれた。飯尾仁市保健福祉部長、鈴木繁生いわき地区障がい者福祉連絡協議会長らのあいさつに続き、同展ポスターの図案を考案した福島久枝さんに鈴木会長から花束、記念品が贈られた。

写真は、会場に展示された作品など=30日午前(クリックで拡大)