2019年11月26日(火)

■グリーンスローモビリティ 小名浜できょうから実証実験

時速20キロ未満で公道を走る低速電動自動車の実証運転が26日より、小名浜地区の小名浜港周辺観光、市街地エリアで始まった。

運行開始に先立ち25日午後には、土日・祝日周遊コースの出発点となる1、2号ふ頭間のアクアマリンパークで出発式が催され、関係者たちは開始を喜ぶとともに、次世代交通システムについて理解を深めた。

導入期間は来年3月8日までの95日間。

市は昨年も国交省の採択事業で2週間ほど、小名浜地区のアクアマリンパーク周辺を巡る低速電動自動車の実証運転を行ったが、今回は環境省の「IoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業」の採択を受けての実施となる。

昨年と最も異なるのが、スマホアプリなどで乗車予約し、同パークやイオンモールいわき小名浜北側、市小名浜支所、チーナン食堂など、あらかじめ定められている20カ所の乗車場所で自由に乗り降りできる「オンデマンド運行」。

平日のみの利用となり範囲も限られているが、移動手段のない住民や観光、行楽客の足として期待がかかる。

また、周辺観光・商業施設と、小名浜地区の事業所80店舗が加盟する小名浜スタンプクラブの協力を得、利用者に配布する乗車証明書を対象店舗で提示すると、商品の値引き、粗品の贈呈などさまざまな特典を受けられるのが魅力だ。

いわきタクシーが運行を担い、利用料金は100円(小学生無料)。

出発式では、清水市長と環境省福島地方環境事務所の室石泰弘所長、菅波健市議会議長が次世代交通システム導入の有効性などを訴えた。

関係者が見守る中、9人乗りの低速電動自動車に市のシティセールスブランド「フラシティいわき」のロゴマークが描かれた、実証運行をPRする横断幕が取り付けられた。

事業全般に関する問い合わせは、市総合政策部創生推進課=電話(22)7025、運行や利用申し込みは、いわきタクシーグループ=電話(54)4649=まで。

乗降ポイントなどは次の通り。

【平日】1.小名浜アクアマリンパーク 2.ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」 3.交通ターミナル(高速バス乗り場) 4.イオンモールいわき小名浜(シオカゼ入り口下) 5.新よね旅館 6.米野集会所 7.チーナン食堂 8.市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」 9.ローソンいわき竹町店 10.味世屋食堂 11.いわきタクシー 12.いわき信用組合本部 13.市小名浜支所 14.本町保育所 15.ヨークベニマル小名浜リスポ店 16.木村歯科クリニック 17.みなと接骨院 18.セブン―イレブン中島店 19.小名浜東郵便局 20.港ケ丘団地入り口

【土日・祝日】1から8を巡回する。出発地の小名浜アクアマリンパークの発車時刻は午前10時10、50分、11時半、午後1時半、2時10、50分、3時半。

写真は、アクアマリンパークで行われた低速電動自動車の出発式=25日午後(クリックで拡大)

■現地対策事務所 平窪公民館に一本化 30日から

市は30日から、台風19号に伴い設置した現地対策事務所について、平窪公民館に一本化する。

現在は平四小から平窪公民館に移った「平窪現地対策事務所」と、赤井公民館に設けた「赤井現地対策事務所」の2カ所だが、物品貸し出し状況や、赤井公民館の再開を踏まえ、統合する方針を固めた。

平窪公民館に一本化されても、支援物資等の配布や、カーシェアリング車両、水害ごみ運搬用車両などの貸し出しの受け付けは継続する。

赤井現地対策事務所の開設は29日まで。問い合わせは、市災害対策本部平地区本部総務班=電話(38)4647=へ。

■いわき市 東電に9億8千万円追加請求 原発事故の損害に対して

市は25日、東京電力ホールディングスに対し、福島第一原発事故で生じた損害として、新たに9億7978万5000円を請求した。

東電福島復興本社の大倉誠代表が同日、市役所を訪れ、清水市長から請求書を受け取った。清水市長からは、福島第一・第二原発の確実な廃炉に向けた要望書も手渡された。

請求の内訳は、一般会計分として、風評被害による観光施設の逸失収入や、原発事故による追加経費の8億4104万3000円。

卸売市場事業特別会計分として、風評被害による市場使用料減の1018万1000円。下水道事業会計分として、脱水汚泥の処理費等の1億2856万1000円。

市では今回を除いて、90億5435万3000円を請求しているが、受領した額は17億6122万8000円にとどまっている。

■きょう福祉の店オープン 12月1日まで イオンいわき店

県授産事業振興会(三浦正一会長)主催のアンテナショップ「福祉の店いわき」が26日、平字三倉のイオンいわき店1階に開店した。12月1日まで。

福祉の店いわきは、福祉施設で作られる製品の周知、利用者のコーチング向上などを目的に、毎年夏、秋に開かれている。

今回は県内44施設(市内6施設)から縫製品、手工芸品、木工、せっけん、菓子など559品目、約5800点を販売している。

時間は午前10時から午後6時。問い合わせは、県授産事業振興会=電話024(563)1228=まで。

■自作品や亡き師のブロンズ像など 彫刻家湯川隆さん個展 12月2日まで ギャラリーいわき

小川町西小川のアトリエを拠点に、国内外で精力的に活動を繰り広げている彫刻家・湯川隆さん(58)=東京都台東区浅草出身=の個展「湯川隆彫刻展―私の中の巨人とともに―」が12月2日まで、泉ケ丘二丁目のギャラリーいわきで開かれている。

湯川さんは多摩美術大進学後、佐藤忠良氏とともに戦後の日本を代表する彫刻家・舟越保武氏=享年(89)=に教えを得た。

今展では、湯川さんの代名詞でもある木とテラコッタを組み合わせ、神秘的なたたずまいをみせる具象の女性像など15点を並べたほか、舟越氏の親族の理解を得、脳梗塞を発症した晩年の舟越氏が左手1本で制作したという鬼気迫るブロンズ像「ゴルゴタ」と、脂の乗った50代前半に発表したブロンズ像「笛吹き少年」「原の城」、リトグラフ、エッチングを各1点出品。

退院後間もなく、左手一本で湯川さんに送った手紙、学院を修了した湯川さんら教え子たちをたたえた送辞など、舟越氏の人となりを知る貴重な資料も飾られた。

昨年5月に竣工(しゅんこう)した日本スポーツ協会・JOC新会館に、湯川さんが手掛けたピエール・ド・クーベルタン男爵のブロンズ像が設置されるなど、彫刻家としての実績を積み上げているが、「(親族に)お借りして自身の作品と一緒に展示し、あらためて(舟越)先生の偉大さを感じた」と湯川さん。

ひとり立ちした後、一時は畏怖(いふ)さえ感じたという舟越氏最後の弟子としての誇りを胸に、さらなる高みを目指すことを決意したようすで「先生は私の根幹にある柱。『続けていく』ことの大切さを今展を通じて学んだ」と気を引き締めていた。

開廊時間は午前11時〜午後7時。休廊日は水曜。問い合わせは、ギャラリーいわき=電話(56)0264=まで。

■<ななはま>地域CL 高知に声援送ったいわきFCサポーター

○...いわきFCが、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)の決勝ラウンドで優勝し、日本フットボールリーグ(JFL)昇格の権利を得た。この地域CLで、昇格を内定したもう1チームは、高知ユナイテッドSCだ。

○...24日の決勝ラウンド最終戦。いわきFCの試合が終わると、高知とおこしやす京都ACの一戦が始まった。JFL昇格のもう1枠・準優勝を懸けた戦いだが、京都は引き分け以上で決まるのに対し、高知は勝利が絶対条件だった。

○...高知には、いわきFC出身のDF新田己裕、山下宏輝が在籍しているとあって、いわきFCサポーターも応援団に加わった。高知サポーターと一緒に、よさこい踊りで使う鳴子を手に、力強く声援を送った。

○...まるで高知のホームゲームのような雰囲気に、人一倍声を出していた「いわきFCサポーター団体連絡協議会」の会長・野田昇さんは、「一生懸命応援させてもらっています」と笑顔で語った。試合は3―1で高知が勝利し、来季はいわきFCとともに、新たな舞台に歩みを進める。

写真は、一緒に高知を応援するいわきFCサポーター(クリックで拡大)