2019年11月23日(土)=休刊日

■いわきFC あす完全優勝でJFLへ 地域CL決勝R最終戦

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」は24日、広野町のJヴィレッジスタジアムで、決勝ラウンド最終戦を迎える。

いわきFCは20日に高知ユナイテッドSC(四国リーグ優勝)を3―0、22日におこしやす京都AC(関西リーグ1部優勝)を1−0で下し、最終戦を残してJFL昇格内定を果たした。

24日の最終戦の相手は、福井ユナイテッドFC(北信越リーグ1部優勝)。いわきFCは引き分け以上で、地域CL優勝となる。

キックオフは午前10時45分。試合は入場無料。

いわきFCは22日夕方、常磐上湯長谷町のいわきFCパークで、JFL昇格を祝したミーティングを催した。ミーティング後に、田村雄三監督は報道陣の取材に応じ、「もう1戦あるので、1位でJFLに行きたい」と語った。

一方で、「JFL昇格の内定は、選手がやるべきことを理解したから。結果がすべての世界だが、いわきFCはプロセスを大切にしている。大きな一歩が踏み出せた」と振り返った。

ただJFL昇格が内定しても、田村監督は「いまだに成功したと思っていない」と謙虚さを示す。「これからもいつも通りです」と笑う。

大勢のサポーターがいわきFCを応援している点にも触れ、「皆さんのおかげで、無事に昇格の内定が得られた。日曜日にもう1戦あるので、感謝の気持ちをピッチで体現したい」と強調した。

運営元・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役も、「最初は誰もいなかった。ぽつりぽつりと見る人が増え、いまでは赤いユニホームを着た老若男女が駆けつける。本当にありがたい」と話す。

JFL昇格内定については、「書類で落ちないようにしないと」とおどける大倉氏。

Jリーグが見える位置に来たが、「Jリーグ入りが目標ではない。見る人にいかに感動を与えられるかが大事」と、これまでの考えは崩さない。

クラブの理念「いわき市を東北一の都市にする」を踏まえ、東日本大震災に加え、台風19号からの復興に向け、スポーツのみならず、健康などあらゆる面で、地域に貢献していくと誓った。

いわきFCによると、常磐上湯長谷町のいわきFCフィールドは人工芝のため、来季は21世紀の森公園内のいわきグリーンフィールドをメインに、ホームゲームを開催していく。

[JFLからJリーグ3部(J3)に昇格するには]

▽Jリーグ百年構想クラブに認定▽ホームゲームの平均入場者数2千人以上▽5千人以上収容のホームスタジアム▽JFLで4位以内で、かつJリーグ百年構想クラブの上位2チーム――など。

クラブ幹部は「昇格できる成績にもかかわらず、ほかの条件を満たさずに逃すことは絶対に避けるべきこと。来季は集客が大事になるので、積極的に情報を発信していきたい」と述べている。

写真は、JFL昇格の内定を祝ういわきFCの選手ら=22日夕方、常磐上湯長谷町・いわきFCパーク(クリックで拡大)