2019年11月22日(金)

■いわきFC JFL昇格内定 地域CL上位2チーム確定

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL」の決勝ラウンドは22日、広野町のJヴィレッジスタジアムで、2戦目を迎えた。いわきFC(東北リーグ1部優勝)は同日、おこしやす京都AC(関西リーグ1部優勝)と対戦し、1―0で勝利を収めた。

もう1試合は、高知ユナイテッドSC(四国リーグ優勝)が、福井ユナイテッドFC(北信越リーグ1部優勝)を3―1で下したため、24日の最終戦を残し、いわきFCは決勝ラウンドの上位2チームに確定。来季のJFL昇格が内定した。12月5日のJFL理事会によって、昇格の可否が正式に決定する。

いわきFC対京都は前半、互いに決定機を欠き、無得点のままで折り返した。後半はいわきFCが立ち上がりから攻め、2分にゲーム主将のMF日高大(24)が、こぼれ球を右足で振り抜き、ゴールネットを揺らしたのが決勝点となった。

田村雄三監督(36)は試合後、「前半は0―0だったが、しっかり集中できた」と語り、ハーフタイムに「シュートを打たないと、得点につながらない」と選手を鼓舞したと振り返る。

「前にしっかりプレッシャーをかけるよう伝えた」と田村監督。後半は入りから果敢に攻撃し、日高のゴールにつながった。

日高も「自分たちのサッカーをやれば、勝てると思っていた。前回(10月の全国社会人サッカー選手権大会)負けているので、気持ちは入っていた」と話す。

2戦目は933人の観客が詰めかけたが、いわきFCサポーターでスタンドの一角は、チームカラーの赤色に染まっていた。田村監督は声援が勝利を後押ししたとし、「日曜日にも多くの人に来てもらい、力になってほしい」と呼びかけた。

24日の最終戦は、福井との一戦。キックオフは午前10時45分の予定。試合は入場無料。

写真は、試合後に田村監督と握手を交わす日高(クリックで拡大)

■水道事業経営審 基本料金の比率増説く 台風19号から多様な対策も

市水道事業経営審議会(上遠野和村会長)は21日、清水市長に対し、いわき市の今後の水道事業経営に関する答申を行った。

答申書が同日、市役所応接室で、吉田恭子副会長から清水市長に手渡された。

答申書のうち、水道料金に関しては、安定的な事業運営を確保するため、人口減少の影響を受けにくい料金体系への変更を指摘。

将来の水需要を踏まえ、現在は3対7となっている基本料金と水量料金の比率を見直し、基本料金の割合を高める必要性を説いた。

なお基本料金が高い場合、少数利用者の負担が重くなる欠点があるため、実施に当たっては小さい範囲で、徐々に変更していくことが重要ともしている。

台風19号による夏井川の決壊で、平浄水場が水没した件も、答申書では言及している。

東日本大震災の経験から、新・市水道事業経営プランの中期経営計画で、災害に強い水道施設を進めている中、基幹浄水場連絡管整備事業によって、平―上野原間で水を相互融通できたと説明。

一部で断水を免れたことから、今後も積極的に推進すべきとした。

また老朽化や地震にとどまらず、浸水や停電、土砂災害など、さまざまな自然災害等への対策を念頭に、水道施設の再構築を検討するよう求めている。

審議会は、水道事業の円滑な経営を図ることを目的に、市長の諮問に応じ、有識者が意見を述べている。昭和46年に第1次が設置され、平成12年の第8次から常設の機関となっている。

第16次となる今期は、平成29年12年に始まった。今年10月からは、台風19号を受けての議論も進めた。

■いわき市 浸水家屋など公費解体の方針示す

市は21日、台風19号や続く大雨によって、浸水などの被害を受けた家屋等に対し、申請に応じて公費解体をする方針を示した。

いわき市でも水害を受けたことで、倒壊の危険性や、悪臭の原因となっている建物があり、市民から解体に関する問い合わせもあった。

対象となるのは、罹災(りさい)証明書で半壊以上と判定を受けた家屋等。一般住宅のほか、倉庫・物置、中小企業(中小企業基本法の定めによる)の事務所や店舗も含まれる。

建物の一部解体、リフォームについては対象外。

申請に当たっては、生活環境の保全上、やむを得ず解体することが要件。

具体的には、▽修理を行えない程度の損害▽倒壊による人的・物的被害を防ぐ必要性▽浸水による土砂の撤去や、耐え難い悪臭の除去をする必要性――を指す。

家屋等の解体は国の制度に基づいており、市が代行して実施する。公費負担の解体は制度上、全壊に限られるが、国は台風などの被害を考慮し、半壊以上に範囲を広げた。

いわき市は東日本大震災以来の該当となる。

解体に向けたコールセンターを11月中、行政書士会と連携した相談窓口を12月中に開設し、受け付けは来年1月からを予定している。

なお自費で解体した場合も、市が算定した基準を踏まえ、費用が償還される見通し。申請に際しては、解体の見積書や、行う前と後の写真等の提出が求められる。

■小学生バンドフェスティバル あす開催 金賞目指して

第38回全日本小学生バンドフェスティバル(全日本吹奏楽連盟などの主催)が23日、大阪市の大阪城ホールで行われる。

全国11支部の代表36校が出場し、前後半それぞれ18校ずつが独立して審査され、最高賞の金賞、銀賞、銅賞のいずれかが贈られる。

いわき市からは、前半13番(午前11時17分)に錦小、後半8番(午後2時3分)に平三小が登場する。本番を控えた平三小に話を聞いた。(錦小は16日付で掲載済み)

「仲の良さが一番の取りえです」。そう笑顔で語るのは、部長の杉田美海さん(6年)=ピッコロ。9回目の全国大会を間近にし、練習こそ真剣そのものだが、終われば和気あいあいとする。

昨年は4年ぶりに東北代表となったが、惜しくも銀賞に終わった。杉田さんは2〜6年生32人を率いる中で、「金賞を目指しています」ときっぱりと言い切る。

今年は「はじけるハートでRock’n Dream(ロックンドリーム)」と銘打ち、エルビス・プレスリーやフランク・シナトラなど、1960年代の米国音楽を奏でながら、自分たちの夢がかなう様子を描いている。

平三小はマーチング形式で臨んでおり、演奏の優劣のみならず、見た目の美しさも大事になる。

杉田さんは「ラインをきっちりそろえる練習に励みました。ハートの形も見どころの一つです」と教えてくれた。

10月には台風19号に伴う休校で、練習中止を余儀なくされた。多かれ少なかれ被災した中でも、子どもたちは再び練習に打ち込んだ。

顧問の菅原徹教諭(51)は「見ていて、楽しいかが大切。いかにお客さんを演奏にひき込ませるか」と話す。

また演奏指導に先立ち、部活をやる上で、あいさつ・返事・後片付けをきちんとするよう求めている。普段の心構えが、大舞台での良い結果につながる。

22日は朝一番の出発で大阪市入りをし、最終調整を図っている。見据える先は、平成22年(第29回)以来の金賞だ。

写真は、学校での最後の練習を終えた平三小=21日夕方(クリックで拡大)