2019年11月20日(水)

■地域CL決勝R いわきFC白星発進 赤星が均衡破る値千金弾

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」の決勝ラウンドが20日、広野町のJヴィレッジスタジアムで始まった。いわきFCは同日、高知ユナイテッドSCと対戦し、3―0で勝利を収めた。

地域CLは全国の地域リーグ優勝チームなど、計12チームが出場し、1次ラウンドを突破した4チームによって、決勝ラウンドが行われる。決勝ラウンドはリーグ戦で、4チーム中、上位2チームに入ると、JFLに昇格することができる。

いわきFCの初戦となった高知は、四国リーグの優勝チーム。1次ラウンドではグループ首位を逃すも、グループ各2位で最も良い成績だったため、決勝ラウンドに進出した。

いわき市に近い会場のため、地元のサポーター含む795人が観戦した。

試合は序盤、高知がいわきFCゴールに襲いかかる場面もあったが、GK坂田大樹(25)が落ち着いてセーブ。前半は互いに決定機を欠いた部分もあって、0―0で折り返した。

後半は徐々にいわきFCペースとなり、14分にFW赤星魁麻(22)が頭で合わせ、均衡を破る値千金のゴール。赤星は続く15分にも得点を挙げ、いわきFCに勢いをもたらした。25分にはFWバスケス・バイロン(19)も追加点を決めた。

田村雄三監督(36)は試合後、先制点のシーンについて、選手間の連携が取れ、赤星の得点につながったと強調。「選手には思い切りやらせている。こうした試合では難しいかもしれないが、楽しませることを大事にしている」と話す。

前半の膠着(こうちゃく)に関しては、「やりきれない部分があった。だが90分を通して、120%のプレーをすることが大切」と語った。

いわき市は台風19号と続く大雨で、いまなお復旧の途上。田村監督は勝利、そしてJFL昇格によって、市民に元気を与えるとも誓った。

次戦は22日、関西リーグ1部優勝のおこしやす京都ACと。10月の全国社会人サッカー選手権大会で、いわきFCは0―2で敗れている。JFL昇格に向けても、負けられない相手だ。

キックオフは午前10時45分の予定。試合は入場無料。

[初戦終えて首位に立つ]

20日のもう1試合は、おこしやす京都ACが、北信越リーグ1部優勝の福井ユナイテッドFCを2−0で下した。

この結果、いわきFCと京都が勝ち点3で並んだが、いわきFCが得失点差で上回っており、初戦を終えて首位に立った。

写真は、後半14分、頭で合わせて先制点を決めた赤星(クリックで拡大)

■台風19号・豪雨被害 一般会計に201億円補正 処理の水害ごみ10万トンと試算

市は19日、台風19号と続く大雨に伴い、復旧や支援に当たるため、201億401万2000円の一般会計補正予算を組む方針を示した。また夏井川の決壊によって、水没した平浄水場の応急復旧などを受け、企業会計には27億2449万9000円を上乗せする。

補正予算や復旧関連の専決処分を含めた議案6件を、22日午前10時開会予定の市議会11月臨時会に上程する。市によると、補正予算の規模では、東日本大震災の対応を除くと過去最大となる。

清水市長が19日、定例の市長記者会見で、補正予算案の概要を明らかにし、「被災状況を踏まえ、災害に迅速に対応するため、補正措置を講じる」と語った。

一般会計補正予算のうち、水害ごみの処理経費に44億3380万円を盛り込んだ。? 処理経費の算出に際して、市では浸水区域を基に、台風19号と続く大雨によって、解体される家屋の廃材も含め、いわき市で10万dの水害ごみが生じると見込んでいる。

市が水害ごみの具体的な数量を出すのは初めて。

そのほか主な内容としては、浸水家屋の床下消毒に8042万3000円、住宅の応急修理補助に14億2939万9000円、水害による被災者に対する救助金や、亡くなった市民の遺族への弔慰金に4億3905万円とした。

被災事業者の再建に向けては、県の融資制度を受けるのに対し、信用保証料の補助に8925万円、利子補給の補助に1500万円を計上。一律10万円の事業継続奨励金を交付するためには、1500万円を組み入れている。

災害ボランティアセンターの運営に1849万5000円、一時提供住宅の見守り支援に1415万4000円、支援物資の集配に822万7000円を充てている。

公共施設(道路橋りょう、河川、農地、農業用施設、林道、公立小・中等)の復旧費としては、総額128億8372万9000円。下水道施設の復旧には、1億3748万5000円となった。

専決処分に関しては、被災による個人市民税の減免など。

■きょう年末ジャンボ一斉発売 10億円の夢見て?大黒様の宝くじにも行列

1等・前後賞合わせて10億円が当たる年末ジャンボ(第818回全国自治宝くじ)が20日、全国一斉に発売された。

このうち「大黒様の宝くじ」で親しまれている、平字一町目のティーワンビル1階「平一町目宝くじセンター」では、寒空のもと、販売前から県内外の宝くじファンが売り場に並ぶなど人気を示した。

山名隆弘・大国魂神社宮司の当せん祈願祭が行われたあと、ファンたちが希望の枚数を買い求めていた。一番乗りした、山形県・金山町の会社員佐藤泰浩さん(39)は、1000枚の宝くじを購入、高額当せんに期待を込めていた。

今年の年末ジャンボは、1等・前後賞合わせて10億円。1等7億円23本、1等の前後賞1億5000万円46本となっている。

販売は12月21日まで。同センターの営業時間は午前10時から午後6時半。抽せんは同31日。

[ら・ら・ミュウでも高額当せん願って]

市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」の宝くじ売り場では、20日午前9時の販売開始前に高額当せん祈願祭が行われた。

小名浜鎮守諏訪神社の小名川祐輝宮司が神事を執り行い、出席した増子裕昭参与をはじめ職員6人が、2等1億円が当せんした平成18年の年末ジャンボ宝くじ以来となる高額当せんを祈願した。

開店後すぐ、当せんを夢見て宝くじを買い求める利用者もおり、利用客にはいわき産コシヒカリや乾燥ワカメなど、神事のお供え物が配られた。

■高校バレー県大会 いわき勢3校 初戦で力尽きる

第72回全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦兼第47回FTV杯争奪県高校バレーボール選抜優勝大会(県バレーボール協会、県高体連など主催)は19、20の両日、福島市国体記念体育館で行われた。

いわき勢は男子が勿来工業、女子は磐城一と湯本が出場。春高切符をかけて、トーナメントに挑むも、3校ともに初戦で力尽きた。

大会には、7月の県総体の男女各8強が出場。2日間にわたり、男女別にトーナメントで優勝を争った。大会初日の19日には試合開始に先立ち、同体育館で開会式が行われた。

選手を代表し、磐城一の野木樹里奈主将(3年)が「日ごろの練習の成果を十二分に発揮し、台風や豪雨の被害に遭った方々に勇気や元気、そして感動を与えられるよう、一戦一戦戦い抜くことを誓います」と力強く宣誓し、春高切符をめぐる熱戦の火ぶたが切られた。

いわき勢の結果は次の通り。

【男子】

◇準々決勝

相馬 2(25―11 25―19)0 勿来工

【女子】

◇準々決勝

郡山女子大附属 2(25―13 25―22)0 磐城一

聖光学院 2(25―17 25―13)0 湯本

■アクアマリン エトピリカのふ化と育雛に成功 かわいらしい姿が人気

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、12年ぶりに絶滅危ぐ種IAに指定されている海鳥の仲間「エトピリカ」のふ化と育雛(すう)に成功した。

同種はウミスズメ科に分類され、国内では北海道の島々でわずかにみられる程度。名前はアイヌ語で「美しいくちばし」を意味し、同館ではメス2羽、オス3羽を3階北の海海獣・海鳥コーナーで展示して人気を集めている。

獣医技師の富原聖一さんによると、自然ふ化、育雛に成功した平成19年以降も、卵を温める行為を幾度も確認し、途中から人工ふ化に切り替えて親鳥に育雛を任せたこともあったが、いずれも成功には至らなかった。

今回はふ化、育雛ともに人工での成功となり、6月21日に生まれた卵を保護し、7月31日にふ化した赤ちゃんを飼育員が愛情込めて育て、ある程度の大きさとなったことから8日より展示を始めた。

美しいくちばしや目の上の立派な飾り羽といった派手な姿から「花魁(おいらん)鳥」とも呼ばれるが、親とは違い、少し黒っぽいオレンジのくちばしと胸あたりのグレーの羽毛が特徴。

大人と一緒に展示を始めたばかりで、群れに入れないなど戸惑う様子がみられるが、元気いっぱい水槽の中を泳ぐ、かわいらしい姿が来館者たちの関心をひいている。親と違った特徴は、来年の夏ごろまで見られるという。

写真は、12年ぶりにふ化、育雛に成功したエトピリカの子ども(クリックで拡大)