2019年11月19日(火)

■いわきFC いざJFL昇格へ あすから地域CL決勝R

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸け、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)の決勝ラウンドが20日、広野町のJヴィレッジスタジアムで始まる。

いわきFCは東北社会人サッカーリーグ1部を無敗で優勝し、8〜10日に秋田県にかほ市で行われた地域CL1次ラウンドを突破。決勝ラウンドで4チーム中、上位2チームに入ると、JFLへの昇格が決まる。

決勝ラウンドはリーグ戦で、20日に高知ユナイテッドSC、22日におこしやす京都AC、24日に福井ユナイテッドFCと対戦する。3試合とも、キックオフは午前10時45分の予定。入場無料。

相手はそれぞれ四国、関西1部、北信越1部の優勝チーム。京都と福井はいわきFCと同じく、1次ラウンドを2勝1分けの無敗で通過。いずれもJFL昇格に向けた思いは一緒だ。

いわきFCは平成28年から現体制となり、東日本大震災からの復興の意味も込め、「いわき市を東北一の都市にする」の理念を掲げ、まちづくりにも大きな影響を与えてきた。

折しも台風19号や続く大雨で、いわき市は大きな被害を受けた中で、チームの活躍は地元に活力をもたらすことが期待される。

田村雄三監督(36)は「どういう戦いをすれば、いわき・福島に元気や勇気を与えられるかを、選手にも再度言い聞かせている。少しでも心が温まるプレーを目指したい」と話す。

19日にはJヴィレッジの楢葉町側のフィールドで、最終練習に臨んだ。選手もスタッフもリラックスした様子で、いつもと変わらず体を動かした。

強豪ぞろいの決勝ラウンドだが、田村監督は「相手がどうこうよりも、自分たちのサッカーを貫く」と強調した。

選手インタビューは下記に。

[会場の集客も準備万端]

いわきFCの運営元・いわきスポーツクラブは18日、JRいわき駅で広報活動を展開し、地域CLの開催を通勤・通学客にアピールした。

広報活動にはスタッフとともに、駅職員やサポーターも加わり、試合を伝えるチラシを配布しながら、当日の来場を呼びかけた。

写真は、最終調整に励むいわきFCの選手=19日午前、Jヴィレッジ(クリックで拡大)

■いわきFC 平沢主将らに意気込み聞く 地域CL決勝ラウンド

広野町のJヴィレッジスタジアムを舞台に、20日から始まる「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」の決勝ラウンド。

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた最終関門を前にするも、いわきFCの選手に気負いはない。3人に話を聞いた。

[MF平沢俊輔(25)]

今季から主将を務め、チームをまとめてきた。出られる選手、出られない選手問わず、自らの役割を全うしていると話す。さらにJヴィレッジは平沢にとって、思い出深い地でもある。

「ここは僕が育った第二の古里。再びプレーできることは、当たり前じゃないと改めて思う」と平沢。

JFAアカデミー福島で練習に励んだ懐かしい場所であり、同時に東日本大震災・東電福島第一原発事故によって、離れざるを得なかった場所でもある。

原発事故の復旧拠点から再生したJヴィレッジ。よみがえった青々としたピッチを前に、平沢は「またサッカーできるのは幸せ」と感慨深い様子だった。

[GK坂田大樹(25)]

試合では最も後ろからチームを鼓舞し、あらゆる局面もセーブしてきた坂田。

ピッチを出ると温和な表情が持ち味だが、「この1年間、地域CLに向けて頑張ってきた」と凛(りん)とした面持ちを浮かべる。地域CLは人生の分岐点とも明かす。

現体制を黎明(れいめい)期から支える一人として、天皇杯全日本サッカー選手権大会で、金星を挙げた北海道コンサドーレ札幌戦や、飛び級でのJFL昇格を逃した全国社会人サッカー選手権も経験している。

「自分が失点しなければ負けない。1次ラウンドと同じく、決勝ラウンドも激しい戦いに違いない」と述べ、変わらぬ活躍を誓った。

[FW吉田知樹(21)]

小名浜出身の吉田は、いわきFCで唯一の地元勢。試合でもサポーターから、ひときわ大きい「トモキコール」が巻き起こる。「生まれ育ったいわき・福島に恩返しできるチャンス。サポーターの皆さんの声に応えたい」と笑う。

今季は主にサブとして、途中出場から得点を求められるシーンが多かったが、「チームが苦しいときに、自分の役割を果たせた」と振り返る。

地域CL1次ラウンドでは、大事な初戦・北海道十勝スカイアース戦で、後半から投入されると、アディショナルタイムに勝利を決定づける追加点をもぎ取った。

古里に対する思いを問うと、「JFLに昇格し、いわきFCをもっと有名にしたい」との決意を示した。

■いわき版画の会 恒例のカレンダー頒布始まる

いわき版画の会「2020年版カレンダー」がこのほど完成し、頒布が始まっている。限定50部で、A3サイズ1部3千円(税込み)。

カレンダーは昭和53年から製作が始まり、毎年「いわきの風物」をテーマに会員が名所、風景、歳時記などを個性豊かに表現している。取扱店は、平字中町の画材店「椿屋」=電話(23)8542。

問い合わせは、いわき版画の会事務局(菅野裕久さん)=電話090(3644)8360=まで。

題名、製作会員は次の通り。

▽表紙「時の名残」小関恵子▽1月「令和」坂本勇▽2月「春よ来い早く来い」菅野裕久▽3月「春近き頃」小関恵子▽4月「春爛漫」合原紀子▽5月「卯の花の頃」日下部剛資▽6月「勿来の関公園(吹風殿)」小野隆▽7月「灯台の見える風景」志賀健一▽8月「真夏のバス停」遠藤敞親▽9月「磐城三十三観音」稲葉長正▽10月「勿来の関公園(吹風殿東中門)」小野隆▽11月「秋の色」伊藤芳雄▽12月「冬の海」島崎喜美

カレンダーのサンプルは下記を参照すればよい。(クリックで拡大)

■あすから 市の現地事務所 平四小から平窪公民館に

市は20日から、平窪現地対策事務所の場所を、平四小から平窪公民館に変更する。

貸し出し内容などに変更はない。問い合わせは、平窪現地対策事務所=電話080(9253)7071=まで。

■台風19号・大雨被害 床下乾燥用の送風機貸し出し あすから

市は20日から、台風19号や続く大雨で、住宅の浸水被害を受けた市民を対象に、住家床下乾燥用に送風機の貸し出しを始める。市が19日に明らかにした。

送風機は5メートルのダクトが備わっており、浸水した床下を十分乾燥させることで、異臭やカビの発生を防げる。市では現在、床下の消毒作業を実施しており、その効果を高めるのも期待される。

重さは8キロ。10メートルの電源延長コードも合わせて貸与する。計10セット用意しており、納品され次第追加するとしている。

平窪現地対策事務所(平窪公民館)に3台、赤井現地対策事務所(赤井公民館)、市好間支所、市小川支所に各2台、市内郷支所に1台。

貸出期間は、平日(月曜から木曜)が午前9時半〜翌日午前9時、週末(金曜から月曜)が金曜日午前9時半〜月曜日午前9時となる。年末年始は除く。1世帯につき1セット。

なお乾燥の具合は、状況によって異なる。早めの返却は可。