2019年11月12日(月)

■県議選 トップは自民・坂本氏 公明は初の2議席

任期満了に伴う県議選は10日、投票日を迎えた。いわき市選挙区には定数10に対し、現職10・新人2の合わせて12人が立候補し、即日開票の結果、現職9・新人1の新議員10人が決まった。投票率は39・13%で、前回の平成27年県議選から6・38ポイント減少した。告示前に台風19号と続く大雨によって、大きな被害を受けたとあって投票率は伸び悩んだ。補選を除くと、いわき市の県議選では過去最低。

立候補は党派別に、自民が現職4人、公明が現職1人・新人1人、立憲民主が現職1人、国民民主が現職1人、共産が現職2人、社民が新人1人、無所属が現職1人。泡沫(ほうまつ)候補がいない一方、公明が2議席獲得を目指すとあって、1票の取りこぼしも許されない激しい選挙戦となった。

投票率が4割を切った中で、2期目を目指した自民現職・坂本竜太郎氏(39)が前回の最下位から一転、1万1828票でトップ当選を決めた。

新人2人のうち、公明の真山祐一(38)は3位で初陣を飾った。公明はいわき市選挙区で初めての2議席。社民の狩野光昭(67)は当選ラインには及ばず、党としての議席回復はならなかった。

現職のうち、2期目を狙った国民民主の鳥居作弥(45)が、次点で議席を失う結果に。

選挙後のいわき市選挙区は、自民4・公明2・立憲民主1・共産2・無所属1となった。当選者の平均年齢は60・1歳。

当日の有権者数は27万953人(男性13万2212人・女性13万8741人)。投票者数は10万6012人で、期日前投票を済ませた人3万4686人(前回比2422人増)だった。

県内全体の58議席は、自民31(改選前比2増)で県議会の過半数を獲得。公明4(同1増)、立憲民主2(同増減なし)、国民民主10(同1減)、共産5(同増減なし)、社民1(同増減なし)、無所属5(同1減)で確定した。

当選者の任期は20日から4年間。

写真は、当選した10人の一覧(右上から下に得票順=クリックで拡大)

開票結果は次の通り。

当 坂本竜太郎 11,828 39 自現A

当 矢吹 貢一 11,690 64 自現B

当 真山 祐一  9,240 38 公新@

当 安部 泰男  8,930 62 公現B

当 古市 三久  8,913 71 立現C

当 宮川絵美子  8,882 73 共現C

当 青木  稔  8,846 73 自現H

当 鈴木  智  8,676 46 自現B

当 西丸 武進  8,294 75 無現F

当 吉田 英策  7,395 60 共現A

鳥居 作弥  6,595 45 国現1

狩野 光昭  5,408 67 社新

(選管確定・敬称略)※丸数字は新たな期数

■N響 平四小で癒やしの演奏

日本を代表するオーケストラ「NHK交響楽団(N響)」が11日、台風19号に伴い、夏井川が決壊し、浸水した平下平窪地区に立つ平四小を訪れた。体育館で370人あまりの全校児童を前に、弦楽四重奏を披露し、被災した子どもたちに癒やしを与えた。

平四小の訪問は、いわき芸術文化交流館「アリオス」の自主事業「おでかけアリオス」の一環で、10日の定期演奏会に合わせ、被災前から予定に入っていたが、急きょ全学年を対象に実施することが決まった。

N響はモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や、多彩な変奏を施した「ハッピーバースデートゥーユー」などを演奏し、子どもたちからは自然と笑みがこぼれていた。

写真は、平四小で演奏するN響の弦楽四重奏=11日午前(クリックで拡大)

■清水市長が選手に激励金 日本視覚障害者柔道連盟 国際大で合宿行う

来年8月25日に開幕する2020東京パラリンピックに向けて、NPO法人日本視覚障害者柔道連盟は8〜10の3日間、平鎌田の東日本国際大柔道場で強化合宿を行った。

合宿最終日の10日には、清水市長が同柔道場を訪れ、市トップスポーツ等合宿誘致推進事業激励金などを贈呈。本国開催のパラリンピックで、代表入りとメダル獲得を目指す選手たちをねぎらった。

合宿に参加したのは、パラリンピック5大会でメダルを獲得し、アトランタ、シドニー、アテネ大会で3連覇を達成した、男子66キロ級(アトランタ大会は65キロ級)の藤本聡選手(44)ら男子9選手。

2泊3日の日程で行われ、日本開催のパラリンピックの代表入りを目指し、同大柔道部らと厳しい稽古に励んだ。

贈呈式では、清水市長が選手代表の藤本選手に激励金を手渡し、「この合宿を有意義なものにし、メダルを獲得することを期待している」と激励。これを受け、同NPOの遠藤義安専務理事が「日々、努力し、皆さまの期待に応えられるよう良い結果をお見せしたい」と話した。

合宿2日目の9日には同柔道場で、市内の柔道のスポーツ少年団の約30人を招き、交流事業を実施。12月8日、全国視覚障害者柔道大会を控える選手たちは、将来の柔道界を担う子どもたちとふれあい、来る決戦の日に向け、英気を養った。

■メルク小名浜工場操業35周年 記念式典 マイシュ社長ら出席

世界最大手の光輝性顔料生産メーカーとして知られる「メルクパフォーマンスマテリアルズ」(日本法人本社・東京都目黒区)。顔料事業の研究開発、製造の拠点として小名浜工場が泉町下川黒須野に開設して35周年を迎え、記念行事が9日に同工場構内で行われた。

同社は1668年創業の世界で最も歴史の長い有数の医薬・化学品メーカー「メルク」(本社=ドイツ・ダルムシュタット)のグループ会社として、2017(平成29)年に設立された。

小名浜工場は元々、親会社メルクのパール顔料の国内研究・生産拠点として1984(昭和59)年に開設されたが、事業部門の分社化に伴い、メルクパフォーマンスマテリアルズに社名を変更。ドイツ、アメリカの主力工場に続き3番目の規模で、自動車用塗料や化粧品、プラスチック用着色剤向けのパール顔料、エフェクト顔料の開発・製造を担っている。

主力商品は真珠の光沢を持つ顔料「シラリック」と新エフェクト顔料「メオキサル」など。従業員数は166人となり、9割近くが地元採用という。

式典では、まず井出岳良工場長が従業員の尽力と家族の支援、地域社会の協力に感謝の気持ちを伝えながら、より一層の高品質製品の安定供給とマーケティング拡大に意欲をみせ、メルク、メルクパフォーマンスマテリアルズのサーフェスソリューションズ部門CEOのドロアテ・ヴェンツェル氏、メルク、メルクパフォーマンスマテリアルズのインテグレーテッドサプライチェーン、サーフェスソリューションズ部門シニア・バイス・プレジデントのアンドレアス・ポロムスキ氏があいさつに立ち、従業員たちの献身的な姿勢や働きぶりをたたえた。

清水市長が来賓祝辞を述べ、メルクパフォーマンスマテリアルズ代表取締役会長兼社長のローマン・マイシュ氏の乾杯の発生で出席した従業員、家族が会食や大道芸、バンド演奏などのイベントを楽しみ、全員で節目を喜び祝い合った。

また見学会も催され、家族、関係者は工場への理解を深め、さらなる発展を期待した。