2019年11月10日(日)=休刊日

■N響のいわき定期 台風19号の被害に心寄せて あすは平四小へ

日本を代表するオーケストラ「NHK交響楽団(N響)」のいわき定期演奏会が10日、いわき芸術文化交流館「アリオス」大ホールで行われた。9回目を迎えたいわき定期演奏会で、タクトを振るヘルベルト・ブロムシュテットは、N響桂冠名誉指揮者であり、92歳ながら一線で活躍する大御所だ。

ブロムシュテットは、東日本大震災に伴い、中止となった平成23年のいわき定期演奏会でも指揮する予定だったため、チャリティーコンサートを開催したり、市民を公演に招待したりと、復興を後押ししてきた。

また、いわき市は東北唯一の定期演奏会の開催地であり、N響は台風19号での被害に対し、「皆さんが一日も早く平穏な生活に戻れることを、切に願っております」とのメッセージを寄せた。

11日には台風19号に伴い、夏井川が決壊し、浸水した平下平窪の平四小を団員が訪問し、児童全員の前での演奏も予定している。

今回のいわき定期演奏会では、ベートーヴェンの「交響曲第3番『英雄』」、R・シュトラウスの「交響詩『死と変容』」、ワーグナーの「歌劇『タンホイザー』序曲」をプログラムに据え、訪れた1400人あまりの市民らを楽しませた。

N響にはバス・トロンボーン奏者として、植田町出身の黒金寛行さん(植田中―磐城高卒)が所属しており、古里の聴衆に活躍している様子を見せた。

写真は、9回目のいわき定期演奏会を行ったN響=10日夕方(クリックで拡大)

■いわきFC 地域CL決勝ラウンド決める 勝利の絶対条件乗り越えて

日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)」の1次ラウンドは10日、秋田県にかほ市など全国3カ所で最終日を迎え、いわきFCがFC TIAMO枚方を4―2で下し、決勝ラウンド進出を決めた。

地域CLには地域リーグ優勝など、全国から12チームがエントリー。3つのグループに分かれ、8〜10日の3日間、1次ラウンドとなるリーグ戦を実施し、各グループ1位の3チームと、2位のうち最も成績が良かった1チームが、決勝ラウンドに臨める。

いわきFCは1次ラウンド2試合を終え、1勝1分けの勝ち点4。対する全国社会人サッカー選手権大会優勝・関西1部2位のFC TIAMO枚方は2勝の勝ち点6。他のグループの結果を踏まえ、いわきFCは決勝ラウンドに向け、勝利しか許されない戦いとなった。

試合は、いわきFCが積極的な攻撃を見せた。前半はFW赤星魁麻(22)が20、21分と立て続けにゴールネットを揺らし、36分にはFW平岡将豪(24)が3点目を奪取。平岡は後半2分にも得点を挙げた一方、FC TIAMO枚方も後半に2点を返したが、いわきFCは追撃を振り切った。

決勝ラウンドは20〜24日、Jヴィレッジスタジアム(広野町)で開催。東北1部優勝のいわきFCに加え、北信越1部優勝の福井ユナイテッドFC、関西1部優勝のおこしやす京都AC、四国優勝の高知ユナイテッドSCが駒を進めた。

4チームが同じくリーグ戦を繰り広げ、上位2チームがJFLに自動昇格できる。