2019年11月6日(水)

■「薄暮」山本監督ボランティア 作品舞台の被災に心痛めて

いわき市を舞台にしたアニメーション映画「薄暮」(いわき民報社協力)の山本寛監督が6日、台風19号で被災したいわき市に、単独でボランティアに入り、夏井川が決壊し、浸水した小川町高萩の住宅で後片付けに臨んだ。

山本監督は、全国でロングラン上映となっている「薄暮」のイベントに出席しながら、新作の構想を練っている中だが、いわき市が甚大な被害を受けたことに心を痛め、仕事の合間を縫って駆け付けたという。

東日本大震災をテーマに、「薄暮」など3部作を制作した山本監督。「被害の状況を目の当たりにし、震災の光景がよみがえったが、自然に恨み言を言っても仕方がない」と述べ、ほかのボランティアと一緒に家の中から、水を吸って重くなった畳などを運び出していた。

一方で、山本監督は「本当はひっそり来るはずだったけれど」とぽつり。ボランティアに参加するに当たって、親交のあるいわき商工会議所の担当者に連絡したところ、報道各社に来市が伝わった。「来週は誰にも言わずに来ますよ」と語り、引き続きの支援を約束した。

「薄暮」はバイオリン弾きの少女・佐智と、東電福島第一原発事故による帰還困難区域から避難してきた絵描きの少年・祐介が主人公。平下片寄の田園風景の中、2人は出会い、やがて淡い思いは恋となる。

写真は、ボランティアに駆け付けた山本監督(右)=6日午後、小川町高萩(クリックで拡大)

■小名浜 いわき海星 統合向けた懇談会 校舎分離などの懸念も

少子化を背景に、小名浜、いわき海星高両校の統合に向けた第3回改革懇談会が5日夜、小名浜高で行われた。

6月の懇談会の意見などを踏まえ、県から学科構成案などが示されたが、出席したPTA関係者からは統合校の特色化、魅力についてより具体的な方向性や事例を示すよう要望する声が相次いだ。

前回の懇談会では、いわき海星高から移行する水産科の学科概要について、海洋科と海洋工学科を各1学級(定員40人)残し、情報通信科と食品システム科については20人ずつ1学級にまとめる提案がなされたが、同校の助言をもとに教科や専門性を考慮した上で、海洋科と情報通信科を20人ずつ1学級にまとめ、食品システム科と海洋工学科を各1学級(同)残す新たな案が示された。

定員40人の普通、商業科を1学級ずつ配置する小名浜高の学科構成は変わらない。

小名浜高の普通科については進学、教養コースを設け、商業科は資格取得を推奨することなどが盛り込まれたほか、特色のひとつとして商業、水産科による6次産業化の取り組みをはじめ、各学科間での連携した学びを展開。語学、言語学習、和太鼓やじゃんがら念仏踊りを活用した伝統文化の継承などを掲げることが提案された。

一方で、小名浜校舎を本校舎、いわき海星校舎を水産校舎とすることで施設、職員管理の面で負担が増えることが懸念されるとの報告も。また特色の提案については、PTA関係者から「提案が漠然としていて具体性に欠ける」「統合校に進学を希望する魅力につながるのか疑問だ」「意見がまったく吸い上げられていない」など、再検討を求める声が相次いだ。

県は当初、同日をもって懇談会を終える予定だったが、要望を受けて再度開催する方向で検討を進めていく。

県のスケジュールでは年末より校歌や校章、校旗、経営・運営ビジョンの検討に入り、来年7月に体験入学を実施する予定だ。

写真は、小名浜、いわき海星高両校の統合に向けた改革懇談会=5日夜

■10日に「磐農祭2019」 3年に1度の開催 人気の加工品も

磐城農業高の公開文化祭「磐農祭2019」が10日、同校で開かれる。時間は午前9時半〜午後2時半。

3年に1度の磐農祭は、「咲き誇れ磐農の華〜みんなの笑顔をひとつに〜」をテーマに学習成果の発表、実習などで生産した加工品販売、各クラス企画など、数多くの催しを用意する。

このうち、毎回人気を集める加工品販売では「乳飲料カルビー」「なしジャム」「いちじくジャム」「なしドレッシング(焼き肉用たれ)」、シクラメンなどのほか、目玉商品として同校飼育の黒毛和種「牛肉」(パック入り)も提供する。

またPTA、同窓会のもち、野菜販売もある。来校の際は、上履き持参。また駐車スペースに限りがあるため、公共交通機関の利用を呼びかけている。問い合わせは、磐城農業高=電話(63)3310=まで。

■来年のセンバツ21世紀枠 磐城を3年連続で選出

県高野連は5日、福島市国体記念館で、理事会を開き、2020年度の大会日程案を発表した。

第102回全国高校野球選手権福島大会は来年7月7日、郡山市のヨーク開成山スタジアムで開催される予定。来年4月の理事会で正式決定する。併せて、来春の第92回選抜高校野球大会の「21世紀枠」の県推薦校として、3年連続で磐城を選出した。

磐城は明治39年創部で、現部員は20人(うちマネジャー1人)。秋季県大会では、東日大昌平との同地区対決となった3位決定戦を制し、12年ぶり11回目の東北切符を獲得した。

東北大会でも46年ぶりの4強入りは逃すも、堂々の8強進出の快進撃を見せたことなどが評価された。同校は東北大会での活躍が評価され、一般推薦枠でも承認された。

東北地区の推薦校発表は12月13日に行われ、来年1月24日の最終選考委員会で正式決定する。

■県中学校新人野球大会 植田東 4年ぶり頂点に 来年3月の全国大会へ

植田東が4年ぶりの県頂点に―。第26回県中学校新人野球大会(県野球連盟主催)は大会最終日の3日、平野球場で準決勝と決勝が行われた。決勝は植田東(磐南1位)が田島(会津3位)に3―0で勝利し、4年ぶり2回目の優勝を飾った。

田東は二回1死二塁から、渡辺蒼太(2年)の左前適時打で先制すると、三回に堀米翔太(同)の中越え適時2塁打などで2点を加え、試合の主導権を掌握。

守っては、3戦連続で先発登板の左腕主戦・堀米涼太(同)が1安打6奪三振で、2試合連続の完封勝利でチームを県頂点に導いた。

優勝した植田東は来年3月、静岡県で開かれる第11回全日本少年春季軟式野球大会に出場する。