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資料館「エミコ オハナ」開設 フラガール初代リーダー小野恵美子さん功績伝える

2019年06月24日(月)更新
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム(フラガール)を養成する常磐音楽舞踊学院の1期生で、フラガールの初代リーダーを務めた小野恵美子さん(75)=旧姓・豊田=の功績を伝える資料交流館「エミコ オハナ」が23日、平南白土の八ツ坂団地に開設された。いわき市が全国に誇る文化・フラの源流を支え、今年で9回を数える「フラガールズ甲子園」の呼びかけを行うなど、小野さんが抱いてきた〝踊るこころ〟を通じ、多くの人が出会う場になることが期待されている。

小野さんは内郷出身。常磐炭砿(現・常磐興産)の職員住宅で生まれ育ち、小学生の時に炭鉱の子どもたち向けに開かれた「常磐バレエ教室」で踊りと出会った。 磐城女子高(現・磐城桜が丘高)を卒業後、常磐炭砿に入社。忘年会の余興でダンスを披露したところ、副社長だった故・中村豊氏の目に留まり、常磐音楽舞踊学院の1期生として、初代フラガールの一人となった。昭和41年の常磐ハワイアンセンター(当時)の開業から、10年にわたってトップダンサーとして活躍。結婚を機に引退した後も、自らの教室を主宰する傍ら、後輩のフラガールを指導した。

平成18年公開の映画「フラガール」では、撮影現場での指導・助言にも当たった。小野さんがモデルとなった谷川紀美子は、女優の蒼井優さん(33)が演じ、日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞に輝いた。映画公開の翌19年に認知症と診断され、症状は徐々に進んでいった。21年12月には踊りを通じ、地域文化の振興に寄与したとして、いわき民報社から「いわき民報賞」が贈られた。現在は市内の高齢者施設で生活しており、会話もままならないが、いまでも多くの人から慕われている。

■除幕式には小野さんも駆けつける

資料交流館の名前にある「オハナ」は、ハワイ語で広義の家族を指し、血縁以外の親しい友人や仲間も含まれる。単なる資料館ではなく、小野さんとの縁で結ばれた人々に集ってほしいと、夫・英人さん(77)の思いが込められている。自宅1階部分にスペースが設けられ、一般公開は9月23日を予定している。関係者が資料の整理を行っており、常磐炭砿やハワイとの関わり、フラガールズ甲子園の沿革など約500点を展示する計画だ。

これに先立っての開設初日には、関係者がオープンを祝い、除幕式には小野さんも駆けつけて、笑顔を浮かべていた。英人さんは「恵美子は踊りは上手(うま)い下手ではなく、心だということを常に考えてきた。フラガールズ甲子園に参加する高校生にも、そうした思いが伝わり、互いに交流する機会が生まれたらうれしい」と話す。

運営に当たっては、「『エミコ オハナ』友の会」も立ち上がり、関係者が支援する。市もブランドメッセージ「フラシティいわき」の振興を図るため、資料交流館と連携していく。

■踊りの背景も知っていく

開設に合わせ、ハワイ文化の理解を深めるため、三春町出身で明治時代に日本とハワイの懸け橋になり、「福島県ハワイ移民の父」と呼ばれた勝沼富造(1863~1950)の研究会も発足した。英人さんが発起人で、ただ踊るだけではなく、地元の歴史からフラの文化とは何かを学んでいく。

7月21日には生い立ちをたどる講演会が開催されるほか、今秋には生涯をテーマにした演劇の上演を目指す。研究会の活動によって、環太平洋地域との交流推進の一助ともしていく。

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